[ブログ]【第13回 漢方歳時記・睦月 丙午の年を迎えて】

2026/01/01

明けましておめでとうございます。新しい一年が静かに幕を開けました。今年は六十干支の「丙午(ひのえうま)」にあたり、五行では“火”の気が強まる年とされています。火は明るさや活動の象徴で、物ごとが前へ進む力を与えてくれる一方、隠れていたことが表面化するなど、社会全体にも変化の多い一年となるかもしれません。身体面では、心がそわそわしやすい、睡眠が浅くなる、のぼせを感じるなど“火の過盛”として現れることがあります。

東洋医学では、冬は五臓の「腎」がもっとも影響を受ける季節です。腎は生命力の根であり、水の気をつかさどるため、火の勢いを静かに受け止めてくれる存在でもあります。火と水の調和が整ってこそ、心身は安定します。丙午というエネルギーに満ちた年だからこそ、無理に勢いをつけるより、まずは身体の芯を温め、深い呼吸で腎を養い、内側の静けさを大切にする時間をもっていただきたいと思います。

食養生では、腎を助ける「黒い食材」が心強い味方になります。黒豆、黒ごま、昆布、ひじき、きくらげなどは、冬の冷えや乾燥に負けない滋養を与えてくれます。特にお正月の黒豆には、“まめに働けるように”という願いに加え、腎を補い一年の体調を整える意味があります。温かい汁物や煮物に少し加えるだけでも、巡りと潤いが整っていきます。コンビニでお茶を選ぶときは、黒豆茶を探してみるのもよいでしょう。また、疲れやすくのぼせやすい体質の方は、山芋・蓮根・豚肉・きのこ・百合根など、腎を補い虚熱を鎮める食材を取り入れると安心です。

丙午のもつ“火の力”を焦らず、ゆっくりと育てるように、皆さまが今年一年を明るく、そして穏やかに過ごされますように。どうぞ健やかな新年の始まりをお迎えください。